まだ認知度が低い地域包括ケアシステム
介護士の役割は、要介護者が少しでも快適に暮らせるようにサポートをすることです。地域包括ケアシステムが誕生したきっかけも、要介護者が住み慣れた場所で介護と医療サービスを受けつつ、自分らしい暮らしを実現するためです。
介護施設のサービスは至れり尽くせりかもしれませんが、見知らぬ土地や場所で生活することに対して、大きな不安を感じる高齢者は少なくありません。介護施設内での人間関係がうまくいかない、自分の趣味を楽しめない、家族とたまにしか会えなくなる、といったことにストレスを感じて体調が急激に悪化していく人は少なくないのです。
地域包括ケアシステムを機能させるためには、介護スタッフの人材不足を解消していく必要があります。日本の少子高齢化は急激なスピードで進行しており、それに伴って介護士も不足してきているのが現状です。地域包括ケアシステムの認知度は地域により異なり、あまり知られていない地域もあります。こうした地域では地域包括ケアシステムを提供するための基盤が整っていない、介護士が慢性的に不足している、介護と医療サービスの連携が速やかに行えない、などの問題点があるケースが多いです。
地域包括ケアシステムの普及は厚生労働省が率先して行っていますが、それに加えて各自治体が地元における認知度向上に努めていく必要があります。介護と医療サービスに加えて、病気の予防、生活サポートなどの総合的な支援ができるようになれば、要介護者は住み慣れた場所で快適な生活を送ることが可能になるでしょう。